iPhoneやiPodなどのiOSユーザーに長い間親しまれてきたiTunesが、とうとう終了になるという情報が出て話題になっています。
iTunesと言えば、音楽をダウンロードしたり、映画をレンタルしたり、ポッドキャストを聞いたり、iPhoneのバックアップを取ったりする際に使うアプリケーション。毎日のように使っている人も多いのではないでしょうか。
先に言うとiTunesは完全終了となるわけではなく、今回の発表においては、次期Mac OSにおいてのみiTunesが担ってきた機能が分解され、それぞれ別のアプリが引き継ぐことになるだけなので、当面はWindowsやiOSユーザーに大きな影響はありません。
Macを使っている方は、それぞれどの機能がどのアプリに引き継がれるのかを確認していきましょう。
※OS…オペレーションシステム。PCやその他デバイスなどを動かすための基本となるシステムのこと。
Appleによる発表とトレンド入り
この話の出どころは、Appleによる開発者向け会議(Worldwide Depelopers Conference、縮めてWWDC)です。その会議の中で、次期Mac OSである「macOS Catalina」ではiTunesが以下の3アプリへと分割されることが発表されたのです。
- Apple Music
- Apple TV
- Apple Podcast
次期OS以降はそれぞれの機能に特化したアプリで、iTunesの機能を請け負っていくことになります。
この発表内容は瞬く間に拡散され、一時はTwitterのトレンドにも入っていました。
6月2日18時05分頃から6月3日0時16分頃まで、「iTunes終了」が Twitter のトレンドに入りました。
実際にこのニュースに驚いている方も散見されましたね。
ん?!
— よみーROCK (@shingorock) 2019年6月4日
iTunes終了!!?
iTunes終了はやばいんちゃうの
— Daisuke Saito (@daichaaan115) 2019年6月4日
さらに、このトレンドだけを見た人の中には、「え、じゃあダウンロードした音楽とかはどうなるの……」と不安に思った方もいたようですが、前述の通りそれぞれの機能はより特化したアプリに引き継がれますので、安心して大丈夫です。
iTunesの機能を分割した3つのアプリ
iTunes終了に伴い、Macの新OSにおいてその機能を引き継ぐアプリについて紹介していきます。
1:Apple Music
iTunesのメイン機能とも言える音楽の購入や管理などは、Apple Musicというアプリで行っていくことになります。
「もうiTunesで音楽の購入はできないの?」と思うかもしれませんが、心配は無用。このApple MusicアプリからアクセスできるiTunes Storeにて、今後も音楽を購入することができます。
インポート・購入済みの音楽はもちろん、5,000万以上の楽曲をストリーミング・ダウンロードできるApple Musicに登録している人は、そのライブラリへのアクセスも可能です。これまでと変わらず、インポート・購入・Apple Music購読のどれでも音楽を楽しめるということですね。
なお、iPhoneを始めとしたiOSやWindows PCではiTunes Storeはこれまで通り継続となりますので、Macでない人にとってはほとんど変更はありません。
iOS、Windows パソコン、Apple TV では、iTunes Store は今までと同様に継続します。
2:Apple TV
映画やTV番組をiTunes Storeで観ていた人は、これからはApple TVアプリを利用していくことになります。
このアプリ内からもコンテンツの購入ができるので、今後は映画を観たいと思ったら、とりあえずApple TVアプリを立ち上げることになるでしょう。
これまでにiTunes Storeで購入した映画などのコンテンツも、Apple TVアプリ内に入ります。リセットされてしまうことはありませんので、これまでたくさん購入していたという人も安心ですね。
3:Apple Podcast
ポッドキャストについては、専用のApple Podcastアプリに自動移行されます。ポッドキャストをよく聴くという人にとっては、独立してまとまってくれるのはありがたいかもしれませんね。
他のコンテンツ同様、以前に取得したコンテンツが消えてしまうことはありません。
補足:オーディオブックはApple Booksから
上記以外にも、他アプリが引き継ぐ機能はあります。オーディオブックに関しては、今後はApple Booksというアプリで利用することになります。
本関連がまとまるので、こちらもわかりやすくなりますね。
バックアップは「Finder」が引き継ぐ
iTunesの機能として忘れてはいけないのが、iPhoneやiPodなどのiOSのバックアップ。従来、iPhoneのバックアップを取るときは基本的に「iTunesバックアップ」「iCloudバックアップ」の2種類から選ぶ必要がありました。
iCloudを使用したバックアップでは無料で利用できる容量に制限があるので、iTunesバックアップを利用していた人も多いでしょう。
今回のiTunes終了を受けて、そのiTunesバックアップ機能は今後Macの「Finder」が受け継ぐとのこと。
Finderと言えば、要するにWindowsでのエクスプローラと同じで、ファイルを探したりするためのAppですよね。
Appleサポートでもそのうちバックアップの公式ドキュメントでやり方が公開されると思うので、Macの方はそれまで待っていれば問題ないと思います。
なお、iTunesが当面のあいだ継続するWindowsでは、しばらくはこれまで通りのiTunesバックアップを行っていても問題ないでしょう。
WindowsにおけるiTunes継続については、公式アナウンス前にApple側に確認した人のツイートもあります。
Apple tells me iTunes will continue to exist in its current state on Windows, and the iTunes Music Store will be available in the sidebar in Finder on MacOS Catalina
— Micah Singleton (@MicahSingleton) 2019年6月3日
拙訳:WindowsではiTunesは現状のまま存続し、MacOS CatalinaではFinderのサイドバーからiTunes Music StoreにアクセスできるようになるとAppleから回答をもらいました。
Windows版のiTunesにも大幅な変更がされる際にはまた大きなニュースになると思いますので、それまでWindowsユーザーはこれまで通りの使い方をしていても問題ないと思います。
まとめ
多くの人が利用しているiTunesに関するビッグニュースなだけあって、かなり話題になった本件。あくまでも次期Mac OSに反映される変更であり、WindowsやiOSでは当面のあいだ引き続きiTunesが使えるので、焦らなくても大丈夫です。
Mac OSユーザーにとっても、多機能になりすぎたとも言えるiTunesが分割されることには、それぞれのコンテンツの場所がわかりやすくなるというメリットがありますね。
今回のiTunesに関する変更は「何かができなくなる」というようなものではありませんので、安心して次期OSのスタートを待っていれば良いでしょう。