東京証券取引所(以下東証)というのは、日本最大の証券取引所です。
日本には1部、2部、マザーズ、JASDAQ(スタンダード・グロース)等の市場があり、株式数や流通株式、上場時価総額、事業継続年数などの上場基準で分かれています。
簡単に言えば、東証は株式の市場、ということです。
日本で一番大きな市場なので、ここで取引されている株式がステータスや信頼に繋がってきます。
そんな東証が、1日朝、相場情報を配信するシステムに障害が発生したとして、全銘柄の取引を停止すると発表しました。
全銘柄の取引を終日停止!サイバー攻撃の可能性はあるのか
東証で扱っている銘柄は全部で3700銘柄ですが、今回発生してしまったシステム障害の影響で、これらの取引が全部停止してしまう事になってしまいました。
朝から調査を進めても原因がわかっていないようで、午前11時時点では復旧のめどはたっていないようです。
今回のシステム障害で、「サイバー攻撃の可能性もあるのでは?」との話も出ていますが、それらに関しては、今現在は確認されていないようなので、可能性は薄いと見ているみたいです。
各証券取引所の対応は?
証券取引所は、東京だけでなく各地方にもあります。
その為、各取引所で取引を行えばいいのではないかと思われるかもしれませんが、そうもいきません。
各取引所の対応は、名古屋証券取引所では、本日1日東証で発生したシステム障害の影響で名証での全銘柄の売買を停止する、ということです。
また、札幌証券取引所や福岡証券取引所でも名古屋同様に全銘柄の売買を停止することになりました。
東証のシステム障害でなぜ名古屋や札幌、福岡などの証券取引所まで取引を停止することになってしまったのかというと、これらは全て東証のシステムをそのまま利用して取引を行っていたためです。
つまり、東証がシステム障害を起こしてしまうと、他の証券会社のシステムも障害が起こってしまう事になるので、取引が正常にできなくなってしまうのです。
ただし、先物等の金融派生商品を取り扱っている大阪取引所に関しては、通常通りに動いているようです。
どのシステムが障害を起こしたのか
今回の東証のシステムは、一体どこが障害が起こってしまったのでしょうか。
東証には、売買注文を付け合わせていく基幹システムである「アローヘッド」と言われる部分があります。
また、その他にも株価情報等を配信するための情報システムなどもあります。
今回システム障害が起こってしまったのは、情報系のシステム部分のようです。
その為、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの各種株価指数は算出できていない、ということです。
今回のシステム障害自体は、朝の7時~8時のシステムチェックの段階で判明した等ですが、現在も復旧できていないことから、大規模なものであることがわかります。
過去にもあった!?システム障害事例
東証のシステム障害は、今回が初めてではありません。
過去にもシステム障害を起こしています。
2005年11月1日
2005年、コンピュータプログラムにミスが見つかり、全上場銘柄の取引を一時的に停止することになりました。
この時にはそこまで大規模な障害ではなかったためか、午後1時からは通常通りに取引を再開されています。
2006年1月18日
2006年には、ライブドアの事件の影響で、大量の売り注文が起こり、リアルタイムでの処理が追いつかなくなってしまった為に、14時40分に全銘柄の取引が停止してしまいました。
2012年2月2日
取引を行っている3つのサーバーに対して不具合が発生し、午前9時から241銘柄に関しては取引を停止してしまいました。
しかし、後場から取引は開始されていきました。
2018年10月9日
約2年前の2018年には、1つのサーバーで不具合が発生し、一部の証券会社での売買が遅延してしまいました。
また、この時には、注文ができなくなる事態も起こっています。
ただし、野村證券やSMBC日興証券に関しては、昼前後には取引が再開されました。
専門家の見方
今回の東証のシステム障害に関して、エコノミストで経済評論家でもある門倉貴史さんは、以下のように書きこみをしています。
東京証券取引所では、2018年10月9日にもシステム障害が発生した。このときは午前中だけであったが、システム障害によって成立していたはずの売買取引が合計で10万件規模にのぼったという。今回の障害で復旧が遅れれば、投資家にとってはかなりの機会損失が発生する可能性が高い。投資マネーを呼び込むための世界各国の証券取引所間の競争は激化しており、障害で取引ができないという事態が発生すれば、競争上このうえなく不利になってしまう。日本の株式市場の信頼回復のためにも早急に原因を究明し、万全の対策が必要になるだろう。
出典元: Yahoo!ニュース
システムトラブル障害がなければ約10万件の売買取引が成立していたということで、規模の大きさを思わされますね。
ただシステムを復旧させればいいというだけではないのが良くわかる書き込みです。
SNS上での書き込み
では、SNS上ではどういった意見があるのか、それらを一部紹介します。
こちらは話題のツイートとして最初に載っていたものです。
金融取引が中止になりました。
— AI照子@JMYG (@teruko_JMYG_bot) October 1, 2020
システムトラブルと言いますが、金融のシステムですから、エラーがあっても取引が継続できるように作られています。
暴落や急騰が起こったことが見られると困る情報があるはずです。#売買停止
さらにこんな書き込みもありました。
証券会社などには賠償するのだろうか?#売買停止 #システム障害 #東証
— YSK|ビートルズファン🍏 (@yoisuke3) October 1, 2020
ドコモ口座事件もそうだし今日の東証トラブルも恥ずかしい 世界が「日本大丈夫か?」と思うよ ハンコやファックスなくすとか言ってる場合か https://t.co/t5QSRGMHA7 #東証売買停止 #東証障害 #売買停止 #東京証券取引所 #システムトラブル #ドコモ口座 #ハンコ廃止
— moonflower (@b_moonflower) October 1, 2020
午後には直るかなと思ってたけど
— ミナップ副業しまくり (@Fukugyo_mania) October 1, 2020
今日一日、取引停止なのね
株の売買ができない10月が始まりましたね
明日は
株価が暴れる銘柄がたくさん出そうね❤️#東京証券取引所 #取引停止 https://t.co/veEh4U3uS7
賠償問題はどうなるのかやドコモ口座事件の事を取り上げているものもありました。
株式トレードができないということは、デイトレーダーに関しては、一日の株の動きがわからないことになるので、チャンスを逃してしまう事になります。
システム障害が起こるだけで色んな部分に影響が出てしまうものなんですね。
まとめ
10月最初の日から株式トレードができないという、大変な滑り出しになってしまいました。
未だ原因がわからないようなので、本日の取引は全面的に中止となるようです。
また、いつ復旧するかもわかっていないことから、専業トレーダーからしたら大きな損害です。
専業トレーダーではなかったとしても、日本全体の株式の動きがわからないことになるので、経済がどう動いているのかが把握できないのは国としての損害にもなります。
一日も早い復旧と取引再開を願うばかりです。